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ひらめきの月曜日
 
お菓子を天ぷらにするとうまい!


アイスの天ぷらの元祖のお店だそうです。

天ぷらのネタで思いつくものは?と聞かれたらエビや白身の魚などの魚介類。キノコや各種の野菜などを思い浮かべるのが通常でしょう。

しかし、冷たく甘いアイスクリームを天ぷらにしたものがあります。サクッと暖かい衣の中に冷たく甘いアイス。不思議な組み合わせですが、これが実に旨い。

甘いアイスクリームを天ぷらにして旨いならば、他のアイスやお菓子を天ぷらにしても旨いのでは?やってみましょう!

馬場 吉成



まずはお店で食べるアイスの天ぷら

様々なアイスやお菓子を天ぷらにする前に、まずはお店で出されているアイスの天ぷらを食べてきました。場所は新宿。「天ぷら つな八」はアイスの天ぷらの元祖のお店だそうです。


お好みで季節により変わるフルーツソースをかけて食べます。このときはキュウイ。


「天ぷら つな八」は創業大正13年の老舗天ぷら専門店。こちらで出されているアイスの天ぷらが上の写真です。サクッとして暖かい衣の中に冷たいアイスクリームが溶けずに入っています。天ぷらの〆のデザートとして絶妙な旨さ。

冷たいアイスクリームをどのように天ぷらにしているかはよく分りません。アイスクリームを通常よりも冷やしているのか、熱が伝わる直前に揚げ終えているのか。断熱するために衣に特殊な細工をしているようには見えないし、食べても衣が少し甘いぐらいで違いはありません。不思議です。けど旨い。

 

家庭でも似た物が作れます。

ということで、お店で食べるアイスの天ぷらは職人の技を感じる素晴らしい物ですが、家庭でも似た様なアイスの天ぷらが作れます。用意する材料はアイスクリームとカステラ、揚げ油。あとラップを使います。


厚すぎると巻きづらく、薄すぎると断熱効果が減る。5mm前後の厚さにしています。


まずは断熱用にカステラを薄く切ります。細かく崩すのでも構いません。


こういうお菓子としても食べれそうだ。


続いてカステラでアイス全体を包みます。少し表面が溶けたところになるべく隙間無く張り付けます。


ハーゲンダッツのアイスを1カップ使ったら結構大きな塊となる。


カステラを貼り付けた後はラップでしっかり包んで形を整え、冷凍庫に一晩置きます。一晩置いたら衣をつけて180度程度の高温の油で揚げます。揚げ時間は1分。こうして出来たアイスの天ぷらがこちらです。


表面はカリッと暖かく、中はカステラでフワッ。その中に冷たいバニラアイスクリーム。


表面が薄っすらと溶けているものの、カステラが断熱材となって中心部は全く解けていません。店で食べたアイスの天ぷらと比べると、カステラの分だけ衣がフカフカしていて食感が異なります。また、カステラの分だけ甘さもボリュームも多めです。


けど、味はとてもいいのです。油と甘い物は相性がいい。少しならね。


上品なお店の天ぷらに対してゴテッとしたいかにも家庭の天ぷら。若干油っぽいのが気になるものの、十分に美味しく出来ています。評価するならこんな感じ。


美味しさ:☆☆☆☆
作りやすさ:☆☆☆☆
胃もたれ具合:1/2☆

 

別の甘い物も天ぷらにしてみよう。

続いて別の甘いものも天ぷらにしてみます。まず最初はこちら。


餅でアイスを包むなんて考え出した人は偉い。なぜか夏場はみかけない。売ればいいのに。


「雪見だいふく」です。餅でアイスを包んだ商品。これならばカステラを使わなくても餅が断熱材となってアイスが溶けるのを防いでくれそうです。なによりもそのままでとても美味しい。きっと天ぷらとなっても美味しいはず。早速揚げてみます。


揚げ始めて30秒ほどで内部から何かが・・・


冷凍庫から出したものに素早く衣をつけて、同じく180度の油で揚げ始めました。すると30秒ほど経ったあたりで表面の形状が変わり油の跳ねかたが変化。危険を感じ1分を待たずして取り出しました。


餅がはみ出すも出来は上々


どうやら餅の部分まで熱が伝わると、急激に餅が膨らんで衣の隙間から出てきてしまうようです。その際に油の跳ね方が変化したのでしょう。とりあえず、食べるのには問題はなく揚がりました。そして切った断面はこうなります。


サイズ的にはお店で出されるものに近い。しかし、餅の層があって食感が違う。


食べてみると、サクッとした衣の下にモッチリと餅の層。その下に冷たいアイス。カステラでやった物よりか表面が溶けてはいますが、十分美味しく食べられます。評価はこんな感じ。


美味しさ:☆☆☆☆
作りやすさ:☆☆
胃もたれ具合:☆+1/2☆


油の温度、衣の厚さやつけ方、揚げ時間などを色々調整すればもう少しうまくいくかもしれません。

 

お次は和風のバータイプアイス

アイスクリーム、雪見だいふくと来て続いての天ぷらネタはこちら。


抹茶アイスよりも和風ならこれの方が好きです。


井村屋のあずきバー。和風アイスの王道。小豆の粒感と風味がしっかりと感じられる美味しいアイスです。これも薄く切ったカステラで周囲を固めたらラップで包んで冷凍庫で一晩。その後、衣をつけて180度の油で揚げました。揚げ時間は1分。揚げた物がこちら。


サービスエリアとか道の駅でこんな感じの食い物売っていますよね。


外見は串に刺さった練り物を揚げた感じになりました。揚げている際に特に問題は発生せず。普通に揚がりました。半分に切って食べてみます。


揚げ饅頭のようにも見えるけど、あずきバー入り天ぷらです。


もともとかなり硬いあずきバー。表面が溶けている程度だったので切断時もなかなか包丁が入りませんでした。アイスの天ぷらと同じ様に、サクッ、フワッの後に冷たい甘さ。サッパリとした甘さの揚げ饅頭のようにも思えます。ただし、中心は冷たい。


笑顔で食べていますが、既に甘さの後からくる油っぽさにやられつつある。


これもアイスの天ぷらとしてアリでしょう。かなり美味しいです。棒がついていて揚げづらいので棒を外すといいかもしれません。


美味しさ:☆☆☆☆
作りやすさ:☆☆☆
胃もたれ具合:☆☆☆

 

ここで注意事項!

ここまでアイスクリーム、雪見だいふく、あずきバーとアイスの天ぷら製作に成功していますが、実はこのあとガリガリ君も天ぷらにしてみました。

結果大失敗。油に入れた直後、貼り付けていたカステラが剥がれてアイスの部分がむき出しになりました。するとたちまちアイスがとけて激しく油が飛び跳ねる。慌てて油から取り出して大丈夫でしたが、目を離していた際に同様の事が起きたら大変なことになっていました。

アイス類を揚げる際には、けして目を離さず、溶けやすく液体状になりやすいアイスは使用しないでください。


続いてビスケットやチョコパイの天ぷら >
 

 
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