特集 2015年2月16日

吹くか?春一番 今週末は風に注目 ~あと出し天気予報

低気圧が発達して、強い北風が吹いた週末。 でも、南にはちょこっと春の気配も。春一番まで成長できるか?
低気圧が発達して、強い北風が吹いた週末。 でも、南にはちょこっと春の気配も。春一番まで成長できるか?
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:今年の寒さは今週で底を打つ? ~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

先週はパーフェクト達成しました!

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちら</a>でやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
先週は、7日とも当たりのパーフェクト! ここ3週間のうち2週間がパーフェクトと、自画自賛したくなる成績!!

と、大口をたたきたくなるところだが、先週の好成績は、東京都心で一滴も雨や雪が降らなかったから。

何も降らなければ、簡単になるのが天気予報。はい、東京砂漠に助けられただけです。

ところで、最近は、 「ハズれた時の言いわけを楽しみにしてます!」 と言ってくださる人がけっこういるので、全部当たったのに、ちょっと申し訳ない気持ちにもなる。

「そういう方は、来週をお楽しみに-!」 と書くと、予報をハズす気満々に見えるところが悩ましいこのコーナー。八百長疑惑はないですよ。
今年2個目のトロフィー!写真が使い回しなので、いつも同じトロフィーですが。
今年2個目のトロフィー!写真が使い回しなので、いつも同じトロフィーですが。

また最強寒気がやってきた

先週はじめ(9日~10日)、日本列島に強い寒気が南下。 「今季の最強寒気」と、あちこちで呼ばれていた。
たしかに、今回の寒気は、瞬発的な強さはあって、東京都心でこの冬一番の朝の寒さになったり、日本海側で雪の量がドカッと増えた所もあったが、さっさと寒気は抜けた。

この冬、何回目の最強寒気だ?とあちこちからツッコまれそうなくらい、近ごろは「最強」がバーゲン状態。

「最強クラスの寒気が何度も来るのが、この冬の特徴です!」
→最強って、1つだけなんじゃ…。

「今回は正真正銘の最強寒気です!!」
→じゃあ、今までのは正真正銘じゃないのに最強と言ってたと…。

自分は、言葉に気をつけて解説しようと思った一週間でした。

今週末は南風 春一番になるか風速がポイント

風が「春一番」となるには、気象庁が決めている基準をクリアする必要がある。

大まかにいうと、
・立春(2/4)~春分(3/21)の間
・日本海に低気圧
・南からの風
・風速が概ね8メートル以上
といった基準。

今度の日曜(22日)は、日本海に低気圧が進んでくる。 各地で南風が吹いて、気温が上がりそうだ。
5日(木)にまた南岸低気圧。低気圧がどこまで近づくかで、降る・降らないが決まる。
22日(日)の天気図。南風は吹きそう。風速8メートルをクリアできるか?
あとは、基準の風速8メートルを超える、強風となるかどうか。 つまり、南から押す春の空気が、それだけ成長できているかがポイント。

海沿いまでは強風なのに、陸地はたまった冷たい空気がガードして、意外と南風が吹かないことも。 毎年きわどい勝負が繰り広げられる。

日曜は、正式に春一番となるのか? 結果は来週!
今週の格言
『春一番のハードルは、ヨチヨチ歩きの春にはけっこう高い』

質問コーナー

「気圧の谷って何?を教えて下さい。」

天気図で、高気圧と高気圧の間の部分や、高気圧が弱まっている部分です。

天気図は、よく地形図に例えられます。 高気圧は、地形図で言うなら標高の高い部分で、山ですね。

たとえば、地図上で、大きな山が二つあったとします。その間は「谷」ですよね。 これと同様に、高気圧が二つあった場合に、その間が「気圧の谷」と言われます。
高気圧と高気圧の間で、気圧の谷。
高気圧と高気圧の間で、気圧の谷。
また、高気圧は、まん丸とは限らず、凸凹しています。その凹の部分も、気圧の谷です。
高気圧が弱まって凹んだ部分も、気圧の谷。
高気圧が弱まって凹んだ部分も、気圧の谷。
つまり、天気図上で、周りより気圧が低いけど、低気圧ほどハッキリしてない所ですね。

で、天気はどうなるのか?
周りより気圧の低い所は、上昇気流が起こりやすくて、空気が湿っていれば、雲ができます。 なので、気圧の谷の所は、雲ができやすかったり、時には雨や雪にもなるわけです。

まぁ、気圧の谷って、分かりにくいですよね。
コンピューターがなく人間が予報を出していた時代、翌日の天気がどうなるかよく分からない時は、「ひとまず気圧の谷でスッキリしない天気と言っとけ」みたいなテクニックがあったとか。
分かりにくいイメージは、そんなところにルーツがあるのかもと思ったりもしています。

詰め天気

先週の問題は、こちらでした。
正解と次の問題は、来週アップします!

追加のヒントは、「宇都宮の北側・西側20~30kmの所は山地」です。

解答はこちらから↓
正解は来週!
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