特集 2015年4月20日

GWまで高気圧が踏んばれるかに注目 ~あと出し天気予報

3月~4月の気温経過。冬だったり初夏だったり、とにかくアップダウンが激しかった。(気象庁HPの図に一部加工)
3月~4月の気温経過。冬だったり初夏だったり、とにかくアップダウンが激しかった。(気象庁HPの図に一部加工)
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:先週は雪だったのに今週は初夏に ~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

雷雨をピッタリは難しいんですよ

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちら</a>でやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
水曜(15日)と金曜(17日)が当てきれずに、△に。

両日とも、上空に寒気がある低気圧がきて、あちこちで雷雨となった。

東京も雨が降ったことは降ったが、水曜はスズメの涙くらい。金曜は降るかもと言ってた朝にぜんぜん降らず。当たりとは言えない結果だった。

この雷雨パターンは、夏に向けてだんだん増加。いよいよこの戦いがはじまったかと、ちょっとブルーになる。

「あちこちで雷雨がある」までは分かっていても、「東京都心で○時に」を前日からズバリと当てるのは非常にむずかしい。

「鍋の水が沸騰する」は分かっても、鍋のどこで沸騰の泡がいつ出てくるか、ズバリ予測できないことに似ている。

と、必死にむずかしさをアピールしてみたんですが、ダメですかね。大ハズレじゃなかったぶんだけ、ゆるして!
夏に向けて、今回のような当たりかハズレか微妙なのが増えちゃうので、先に謝って、大目に見れくれる人を増やしたいです。
夏に向けて、今回のような当たりかハズレか微妙なのが増えちゃうので、先に謝って、大目に見れくれる人を増やしたいです。

初夏と言っていいかどうかの気温でした

先週は、金曜(17日)に、東京で24.9℃まで上がるなど、初夏っぽくなった所もあったが、「初夏だー!」というには物足りず。 特に週末は、先週の記事でイメージしていたほどは気温が上がらなかった。

原因は、低気圧が多すぎたから。 低気圧は空気をかきまぜる。 ここまでさんざん低気圧が来て雨が降ったので、極端な温度差をかきまぜて、この時期らしい気温にならされてきたようだ。

冬の次は初夏みたいな極端な気温のアップダウンが続いたが、ようやく気温は安定しそう。

GWまで高気圧が気を利かせるか?

気温差がなくなってくると、低気圧は発生しにくくなる。 水曜(22日)以降は、高気圧に覆われて、しばらく晴天つづきに。

気づけば、週末からはゴールデンウィーク、GWがスタート。

高気圧が気を利かせて、日本付近に居つづければ晴れスタートのGWとなるが、日曜(26日)頃から東へ逃げていきそうな気配が…。
26日(日)の予想気圧配置。すぐ南には雨雲。高気圧が逃げれば、雨雲がやってきてしまう。
26日(日)の予想気圧配置。すぐ南には雨雲。高気圧が逃げれば、雨雲がやってきてしまう。
このところ、週末のどちらかに雨が降ることがずっと続いていて、週末の土俵際で踏んばれない高気圧をよく目にする。

注目どころのGWは、ちゃんと気を利かせて高気圧が踏んばれるか。 今のところ、曇りくらいで済みそうな感じもあるが…結果は来週!
!
今週の格言
『極端な気温差が低気圧を生み、低気圧が気温を安定させる』

詰め天気

前回(4/6)の出題は、「この日の“室蘭”は、どんな天気だったでしょうか?」でした。
2008年7月7日朝。気象庁天気図
2008年7月7日朝。気象庁天気図
この日の室蘭は、風がやや強く、一日シトシトと雨が降り続きました。

びっくりなのは湿度。一日の平均湿度がなんと「100%」。 ずっと湿った空気に覆われていたわけですが、湿度100%というのは、霧の時に出る数字なんですね。 この日は雨に加えて、霧も出やすい天気でした。

原因は、北海道の東海上にある高気圧。 ここから吹き出す風が海の上をずっと渡って、湿気をたくわえたうえ、北海道周辺の海が冷たいために冷やされて、雲や霧ができやすかったんですね。

「東北地方では「やませ」が吹くときの天気図に見えるので、室蘭の天気は霧か霧雨でしょうか?(月猫夕霧さん)」
正解!

「室蘭市民を代表してズバリ予想させて頂きます!霧雨。一日中ずっと! オホーツク海の冷たい高気圧が強烈に張り出してきているこの気圧配置。霧が続きそうな嫌ーな天気図ですw(KAXTさん)」

おぉ、さすが地元のかた! KAXTさんの解答の続き↓

「数日間持続する霧ですが案外背は低く、こんな日も少し山に登れば案外スカッと晴れていたりします。 日中、霧の高さが100mほどまで下がると、北部の標高の高い住宅地からは下界一面の雲海が!! はるか太平洋の彼方まで続く一面の雲海・・・夕陽に照らされる雲の海はとても幻想的で綺麗ですよ!」

室蘭を訪れるかたは、雲海ねらいで!

「「この周辺の天気が注目された日」とは、洞爺湖サミットがあった日でしょうか。(脊振山さん)」

「2008年7月7日ですね!(nomuraさん)」


その通り!せっかくの洞爺湖周辺の景色が、霧に邪魔されたんですよね。 ほかにも、飛び職さん、naru1559さんなど、洞爺湖サミットと答えていただきました。

「ちなみにこの日の東京都心は、小雨や霧雨があったんでしょうか?(金星さん)」

室蘭がその天気だったんですよー。目の付け所は良かったのに。おしい!
東京も気温が上がらず雨でしたが、一時強く降りました。

今週の定石はこちら。
今週の定石
『夏の北海道太平洋側は、海から吹く風は霧を疑うべし。』
今回、正解した皆さんはこちら。

月猫夕霧さん、KAXTさん、飛び職さん、とものさん、ポルカさん、くっしーさん、はいまっとさん、脊振山さん、金粉銀粉さん、まるさん、MMさん、そらはこわいさん、naraoさん、Cauli.さん、タケウマさん、Radio Mishimaさん、nomuraさん、naru1559さん、名前は「ナイ」さん、かっきーさん。

けっこう難しいと思ったんですが、みなさん、すごいですね。

さて、今週の問題は、こちらです。

今週の問題

この日の“東京”は、どんな天気だったでしょうか?
午後。気象庁天気図
午後。気象庁天気図
翌日午前。気象庁天気図
翌日午前。気象庁天気図

(ヒント)

・前線の位置に注目です。
・最低気温は、25℃以上でした。

解答はこちらから↓
正解は再来週(5/4)に!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。
あて先は [email protected] まで
▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←
ひと段落(広告)

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ