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ちしきの金曜日
 
牛丼屋でカレーを食べ比べる


牛丼屋に入ってカレーを注文してしまうことってないだろうか。

カレーを食べるならカレー屋に行けば良い。牛丼屋だったら牛丼食べれれば良い。そんなことは解りきっているのに、たいがいの牛丼屋にカレーは置いてあるし、僕は時々注文してしまう。

今回はそんな「牛丼屋のカレー」に迫ってみたいと思います。

斎藤 充博



ガツガツイケるすき家のカレー

牛丼だったら、僕はすき家が一番好きだ。「三種のチーズ牛丼」を「つゆだく」で注文して、ぐちゃぐちゃにしながら食べるのが最高にうまいと思う。

ところが、「すき家のカレー」と言われると全く思い出せない。どんな味だったっけ。最高に好きな「チーズ牛丼」をわざわざ外して食べているというのに、その印象は薄い。


そして注文して思い出す。あ、こんなのだった

ダイヤモンドのような肉

具は少なめ。

食べてみると割とさっぱりした味わいがある。ドドドっと一気にかき込める味だ。

考えてみれば、僕は「牛丼屋のカレー」を食べる時にたいていそうしている。だから味を覚えていないのだ。


こんな風に頭の中がカレーでいっぱいの時に

その思いをかき消すようにがっついてカレーを食べることってあるよなぁ、と

なるほど、自分がカレーを食べるときの状況を考えると、理にかなった味だと思う。しかし、僕の個人的な「ガツガツニーズ」を捉えられていると思うとなんだか恥ずかしいですね。


すき家

・カレーライス並(単品) 380円
・丼での提供が嬉しい。味は標準的

 

吉野家のカレーでクイックタイム

続いて、行ってみたのは吉野家。カレーに関してはかなりの後発だった記憶がある。果たしてどんな物だろう。


また、サラサラのカレーが出てきた

ここのコールスローサラダはねっとりしていてカレーによくあう

吉野家のカレーもかなりさっぱりした味がする。ただし、すき家に比べると、ピリっと辛みが強い。

写真を見て解るように、具らしい具はほどんど無い。しかも、サラッとした仕上がりになっているので、もの凄く早く食べ終わることが出来る(多分5分かからなかった)。

やばい!遅刻しそう!そんな時は吉野家のカレーを食べるときっと間に合いますよ。

時間が巻きどもったかのような早食い感覚がありました

吉野家

・オリジナルカレー並(単品)330円
・淡白な中にもピリっとした辛みが

 

なか卯のカレーは高級感たっぷり

なか卯のカレーは390円。牛丼屋のカレーとしては少々割高だ。


白くて深い皿が高級っぽい気がする

高級ホテルのカレーはTシャツじゃ食えないですよ

食器がなんとなく高級っぽい、と思う。食べてみるとちゃんと牛肉の味がした。「高級ホテルなんかで出てくるビーフカレー」の味の廉価版、といった雰囲気がある。

そう考えると390円は全然高くない。せいぜい数十円の差じゃないか。これから毎日なか卯のために10円玉貯めておこう。


なか卯貯金という発想

それにしても牛丼屋のカレーも、丁寧に味わってみると結構楽しい。気分が良くなってきたので、珍しいサイドメニューも頼んでみた。ここ、牛丼屋なのにプリンが置いてあるのだ。


なか卯

・ビーフカレー並(単品) 390円
・「ビーフカレー」の名に恥じない高級感

 

商品名「こだわり卵のぷりん」。120円。

きなこと黒みつで、合わないはずが無い

和風の味わいが、しんみりとうまい。どことなくワビサビまで感じさせる味わいだ。

なんというか、サンクスあたりのコンビニでワンシーズンくらい置かれていそうな食べ物なのだ。

取扱いが終わった後に、急に惜しくなるような、そんな希少な味があった。


高級っぽいカレーと、希少価値の高そうな気がするプリン。結果的に、ちょっとした大人用のお子様ランチという気分になって楽しい。まさか、なか卯の食事でこんなにテンションが上がるとは思ってもみなかった。

 

トマトしか見えない感じ

松屋のトマトカレーはカレーなのか

松屋と言えば、「トマトカレー」の衝撃はまだ記憶に新しい。食べたことのない人のために説明すると、この「トマトカレー」、トマトの風味があまりにも前面に出ていて、なんだか今イチカレーっぽさが見つからないのだ。

実際のトマトカレー。このスプーンの位置の定っていない感じがなんともたまらん

カレーというよりも、ちょっとしたエスニック料理を食べているような、不思議な感じ。

それに無料で味噌汁がついてくるものだから、一気にワールドワイドになる。頭の中に『イマジン』が流れ出して、カウンターに国境は無いんだな…という感慨がわいて来た。


いや、そんなものは元から無い

食べてみると結構うまい。しかし「これがカレーなのか」という気持が常につきまとったままの悩ましい食事にいつもなってしまう。


カレーとしてアリか、を真剣に考えなくちゃな、と思っているんですが

なかなか難しいよね

食べながら考えていたのだが、今日もうまくまとまらなかった。

多分これは「松屋にはもう一つのカレーメニューがあるから、まあそっちが松屋としての本ちゃんのカレーなんだよな」という気持が心の底にあって、それで考えがはかどらないんだと思う。

それでは、そっちのカレーも食べてみましょう。


松屋

・フレッシュトマトカレー 並(味噌汁付き)290円
・とにかく安い。この値段で完成度の高い不思議料理を食べれる楽しさ

 

松屋のオリジナルカレーは頭一つ抜けている

そしてこちらがその、もう一つのカレーメニュー、「オリジナルカレー」。


凄く良い匂いがする

一体どんなもんだったっけ、と思って食べたら、これがとてもうまかった。


なんだこりゃ、うまいじゃないか!

他の牛丼屋のカレーに比べて、味が濃い。単に塩辛いんじゃなくて、ちゃんといろんな食材が煮詰まった味がするのだ。

一口目はちょっと甘いのだけれども、食べ続けると辛みが追いかけてくる。

それもじんわりと汗ばんでくるような、きっちりとした辛さだ。

なんかうまそうな成分溶け込んでいそうなドロドロ加減

他の牛丼屋のカレーに比べて、「これはちょっと違うぞ」という入れ込み方を感じる。松屋はカレーに関して頭一つ抜けている、と言っても良いだろうと思う。


ポーン

松屋

・オリジナルカレーライス並(味噌汁付き)350円
・良い匂いがしておいしいので言うことナシです

日本はカレーの天国か

牛丼屋のカレー、どの店もまずまずうまくて、すごい。そして、思い返してみるとやっぱりその中でも松屋のが特においしかったように思える。

しかし松屋も奢る事なかれ。街にはカレーの専門店がゴロゴロしているのだ。本気でカレーを食べたい人はそっちに行ってしまうかもしれない。

思えば、知らず知らずのうちに、私たちはカレーに対して無茶苦茶贅沢になっているのではないか。ここはカレーのパラダイス。天竺からはるか離れた川口市で、それは花開いている。いや、川口市じゃなくて、別にどこでも良いんですが。

カレー専門店ならココ壱に良く行きます(リトルスプーンも好きなんだけれど、近所にあるのはココ壱なので)

 
 

 

 
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