前回行ったのは5年前
当サイトでは2006年に
林さんの記事でも紹介されている、書店やCDショップのPOPのような手書きパネルが特徴の動物園だ。
2009年に行ったときに撮影したもの
喪中貼りだしもある
自由に着用できるようになってたこのヘルメットはというと
シカの治夫君から落ちたもの。豆知識も面白い
どんな動物がいるかは一度見てるから知ってるし、5年経ってあの手作り感は更新されているのか? それを見るのが主に楽しみだった。
だが、一緒に行った人たちが動物好きで、自分の動物への興味の薄さについて改めて気付かされたのだ。
どの動物に対しても均等に全力で楽しんでいる……!!(ように見える)
「どんな動物がいるかは一度見てるから知ってるし」というのは、動物園好きの人たちにとってはきっとあり得ない。
自分が好きなものをこんなにも堪能できる施設があるなんて……!! と羨ましくなる
私の動物園に対しての興味は「弁当に入ってた好きでも嫌いでもないものをなんとなく食べる」ぐらいな感じで、「何か面白いものがあればいいな」という期待はあるが、自分から進んで行くことはない。
泳いでるホッキョクグマを見ても、無感動ということはないのだが、ガラス越しだからかどうもテレビでも見てるような、そしてこれ着ぐるみじゃなくてほんとに本物? という思いが頭をよぎる。
物珍しさと現実味のなさの闘い
動物園大好きな人ならば、まったく違う観点で同じものを見てるんだろう。
そう思うと、動物園好きの人にじっくりと話を聞いてみたくなってきた。
動物園好きにインタビュー
ひとりでも水族館や動物園へ行くことがある、という友人がいる。いくつか疑問を投げかけてみよう。
も、もしもし、もしもし……
――まず、動物園に行く頻度を聞きたいんだけど……
「最近は動物園はあんまり行かなくて水族館ばっかりだよ、都内に多いから。見てないところをつぶしまくるっていう部活みたいな感じで。
動物園には高校生のころひとりで行ってて……、受験が終わって暇になったときとか。」
――そのときの思い出かなにかあれば。
「人がいなさ過ぎて変態に遭った……。平日の動物園なんて動物と変態しか居なかったよ……」
(そ、それは……運が悪かったのか、場所によるのか、そんなもんなのか、いや、そんなもんじゃないか。)
――水族館によく行くということは、動物より魚の方が好きってこと?
「いや、私はどちらかというと動物寄りで。水族館に行くとずーーっとペンギン見てる。ペンギンを見ながらお茶を飲めるところに3時間ぐらい居たり……」
見ながら茶を飲めるところがあるのか…… (これは旭山動物園)
これはその横に飾ってあったペンギンの絵
――動物園に行った場合、ひとつの動物をどのぐらいの時間をかけて見るの?
「気になったのを、飽きるまでずっと。」
――飽きるまで!
「だから人と一緒に行くのが申し訳なくて。洋服をじっくり見て選びたいときにひとりで買い物行きたい感覚と似てるかなぁ。」
――動物好き同士でよく話す話題とか、もしあれば……
「基本的にはひたすら『かわいいかわいい』と言ってるぐらい。人に話しても分かってもらえると思ってないから、細かい話はあんまりしないかも。」
次に私の「水槽の中の動物を映像っぽく感じてしまう」問題をぶつけてみる。
残るはこの現代っ子っぽい問題
感覚が真逆だった
――実は……私、水槽の中の動物ってテレビや巨大ディスプレイを見てるように思えて、現実味をあまり感じられないことがあるんだけど……
「あーー、なるほど…… 私は逆で、テレビで見てたものが本当はこんなんだったんだ! と現実味を感じる。」
普段、映像もよく見てるからこそ、リアルを見たときにきちんと映像との違いを感じられるんだろう
「あと、自分が撮った写真ならリアルな記憶がよみがえるから、あとから見返しても楽しいんだけど、他人が撮ったキリンとかにはそんなに興味ないかなー」
なるほど。私の場合、この子猿を撮ったときはおそるおそるだったのだが(ガラス越しなのに)、後日改めて写真を見てかわいさに気付いた。目の前にいると、動物への警戒心や不慣れがどうしても勝ってしまうみたいだ。
かわいいじゃないか! と帰宅後、写真を見て気付いた
「あとは、動物のキャラクターについては、(キティちゃんみたいにデフォルメされすぎてるものより)リアルな感じの方が好き。デフォルメされすぎると、その動物としてかわいいと思えなくて。」
デフォルメされすぎてるキャラを動物として見るかどうかなんて今までそんなこと考えたこともなかった。
あの猫のことを猫として好きという人がいたら、それこそ会って話を聞きたい
最後に、
「好きすぎるほどに好きかというと私はまだまだかもしれないけど……」
と言っていたが、私にとってはどの話も新鮮だった。
手書きパネル・2014
価値観の違いに一通り驚き終わったところで、冒頭でも書いた「5年経ってあの手作り感は更新されているのか?」をざざっと見てみよう。
各エリアにこんな動物紹介がある
今回も死因は闘争……
アザラシ家系図は一番上まで遡ると1985年か……
手作り感あふれまくりなイラスト
ゼニガタ……! かっこいい
問いかけタイプのパネル
私はもともとの動物に関する知識が薄いため、パネルに書いてあるちょっとした豆知識でもいちいち感心してしまうのだが、すぐに忘れる。
そして次に来るときも新鮮な気持ちで楽しむことができるのだ。
最後に今回のパネルで一番面白かったのはコレ!
5年前、シカヘルメットがあったエリアに絵巻が
知床で起きた、エゾシカにまつわるあれこれを絵巻でまとめたものだ。びっくりするエピソードが満載だったので、いくつか紹介したい。
玄関開けたら子を産んでたり
うっかり流氷に乗って流されたり
弾丸って1個680円なのか
住んでる方々は大変なんだろうけど、珍しいエピソードばかりで笑いながら見入ってしまった。
次に来る機会があれば、この手作りパネルがどう変わっているかももちろん楽しみだが、水槽を見て「映像っぽい」だなんて思わないようになっていたい。
一体どうすればいいんだろう……。 もし訓練方法があるなら知りたい。
動物園、ふりかえり
なんとなくのなりゆきで自分の動物に対する意識についてまで考えさせられることになった。予定外だった。
おそらくこういうのは十人十色で、話を聞く人によって色んな価値観を発見できて面白いんだろうと思う。また機会があれば他の人にも聞いてみたい。