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コネタ


コネタ516
 
長崎の住宅事情
川の上に建っている小屋。
(非常に頼りなさげな棒で支えられてる。)

先日、福岡で大きな地震があった。(被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。)

幸い、長崎(市内)は大して揺れなかったのだが、もし長崎に大地震が来たら大変な事態になるんではないかと思う。

というのも、長崎の住宅事情はかなり特殊だからだ。

T・斎藤

家が建てられる場所を求めて

長崎はまわりを海と山に囲まれており、平地部分がものすごく少ない。よって、人々は家を建てられる場所を求めて、他県では考えにくい場所にまで触手を伸ばすこととなった。

例えば、川の上である。

 ↓


長崎名物・川の上に建つ家々

芸術的建造物

「地震はこない」という自信がある

見た感じたぶん、震度4でもやばいと思う。
が、これらの建物がこれだけの風格を持つくらい存在し続けているのも、長崎に地震がまったくなかったからだろう。
私も先日の福岡の地震で久しぶりに地震の感覚を思い出した。それまですっかり存在を忘れてた。

しかしそれにしても、これら川の上に立つ家々の造形美には惚れ惚れする。アントニオ・ガウディがこっそり設計したのか?ってくらいのかっこよさだ。

味のある石橋も
積まれた自転車がまた迫力ある


山、そして崖

家を建てる場所を求め、触手は山にも伸びる。
長崎は「坂の町」とよく言われるが、家を建てられる場所を求めて上へ上へと山をのぼっていった結果、ついにその斜面は家だらけとなった。

やがて、およそ家を建てるのは無理だろうと思われる崖にまでその触手は伸びたのだった。

 ↓


崖にだって建てる (柱を伸ばして水平部分を強引に広げる)

同じく崖から飛び出した駐車場

上の写真だとほとんど何が何だかわからないかもしれないが、あの上にはたしか焼肉レストランとその駐車場が広がっている。下から見ると写真のようにほとんど崖から飛び出しており、柱しか見えない。

それにしてもこの飛び出しっぷりはもう空中に建ってると言っても過言ではない。

しかも、こういう風景が長崎ではあちらこちらで普通に見られる。


ドア1枚分くらいの幅

土地が無いなら家の方を細く

でっぱるだけが能じゃない。
土地が無いのなら、家のほうをそれに合わせる、という手もある。

探してみると、街にはありえないくらい細い建物がたくさんある。

エアコンの室外機と同じくらいの幅

常識にとらわれるな

家を建てようとしたとき、我々はつい
「○○坪ぐらいの広さがないと…」
とか考えてしまいがちだが、ここで見られるのは一般的な常識にはとらわれない、とにかく自由な発想だ。

土地が無い場所で生きる人々のたくましさを垣間見る思い。我々もがんばらなくては。

あ、ちなみに川の上に建てるのは違法らしい。おそらく法律が整備される前に作られたものと思われる。

住む土地が足りないと言えば、東京などの大都会もそうだが、その解決策として主に超高層マンションという方向に向っていってる気がする。
そういえば、長崎でも最近はそういう方向性に向っている。

こういう解決方法を忘れていたわけではない。

 

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