特集 2011年10月10日

コンドル空飛ぶ学校祭

コンドルはもちろん本物です
コンドルはもちろん本物です
暑さがおさまって過ごしやすくなる秋は、夏とはまた趣きの違うイベントがにぎわう季節。そのひとつは学園祭だろう。

歌手やお笑い芸人といった人気者を招いて呼び物にする学園祭はよくあると思うが、わざわざ呼ばなくても、もともと人気者がたくさんいる学校もある。それは、動物の専門学校だ。
1973年東京生まれ。今は埼玉県暮らし。写真は勝手にキャベツ太郎になったときのもので、こういう髪型というわけではなく、脳がむき出しになってるわけでもありません。→「俺がキャベツ太郎だ!」

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登場アイドル日本最多とも言える学校祭

「千葉にある東京」シリーズ
「千葉にある東京」シリーズ
屋上からのアピールが気分を盛り上げる
屋上からのアピールが気分を盛り上げる
今回やってきたのは、千葉県八千代市にある東京動物専門学校。名前と所在地にずれを感じるかもしれないが、学校のサイトからその歴史を見ると、そもそもの設立はしっかりと東京の港区だったらしいので、もやもやするのはやめにしよう。

普段は学生や関係者以外の立ち入りは禁止だが、この日は学校祭。屋上にも「学校祭開催中」と、手作り感あふれる掲示がしてあって、それっぽいムードをかもし出す。
動物園に来たような案内図
動物園に来たような案内図
盛況のふれあいコーナー
盛況のふれあいコーナー
このイベントには、実習のためにいる動物たちも多数登場。まず訪れたふれあいコーナーでは、ヤギやヒツジといった動物たちに直接触ることができる。子供たちが集まってきていて大人気だ。
グイグイやってくるヤギ
グイグイやってくるヤギ
ヒツジも楽しそうなステップ
ヒツジも楽しそうなステップ
牛ムード漂うヤギ
牛ムード漂うヤギ
個性派も登場
個性派も登場
餌を求めてなのか、そもそも人に慣れているのか、動物たちの方からどんどん近寄ってきてくれるのが楽しい。しゃがんで動物と同じ顔の高さになると 特に寄ってくるようで、すさまじい迫力がある。

牛っぽいヤギもいて、まぎかわいい(まぎらわしい+かわいい)。さらには耳がビロビロのヤギも迫ってくる。
耳の理由判明
耳の理由判明
ヤギの名前は見た目通りに「ミミナガヤギ」。掲示を読むと、ビロビロのわけがよくわかる。改めて表情を確かめると、日本にいても暑そうにしているようにも見える。
展示コーナーは動物園ムード
展示コーナーは動物園ムード
本格的な鳥もいる
本格的な鳥もいる
後ろ姿も特徴的な鳥
後ろ姿も特徴的な鳥
正体はアンデスコンドルでした
正体はアンデスコンドルでした
ふれあいコーナーの隣にあった展示コーナーは、ちょっとした動物園のよう。アンデスコンドルの頭がはげているのは、他の動物の肉を食べる時に汚れないためとのことだ。ハゲ頭にもちゃんと意味があるわけだ。

祖父がつるっぱげだった私としては、将来の自分像と重なって気になるコンドル。しかし、このコーナーには不安の影を感じさせることなく、純粋にかわいさを振りまく動物もいた。
コンドルショックのあとに見る子ダヌキ
コンドルショックのあとに見る子ダヌキ
か、かわいい…
か、かわいい…
その横でライバル心を出すアナグマ
その横でライバル心を出すアナグマ
食の嗜好に共感
食の嗜好に共感
写真上段は子ダヌキ。もう字面からして愛らしいが、実物もその響きに負けずかわいいのがすごい。昔話か何かでしか「子ダヌキ」って聞いたことない気がしたが、本物もイメージ以上にチャーミングだ。

それに比べて、ややシュッとしたアナグマはかわいさでは子ダヌキに一歩譲るだろうか。しかし、説明に「ご飯は何でも食べるけど、お肉が一番大好きだよ」とあるのを見て、急に距離が縮まった。私とおんなじだ。
農産物も販売中
農産物も販売中
脱字があることでよりうまそうに
脱字があることでよりうまそうに
生き物と一緒に撮れる写真コーナー
生き物と一緒に撮れる写真コーナー
それはいいけどなんだか長い
それはいいけどなんだか長い
学生たちが栽培した野菜も販売。立派なカボチャが200円とかなりの安さ。数日前にスーパーで普通に買ってしまったのが悔しくなるの値段だ。

その隣には生き物と写真を撮れるコーナーが。値段が100円というのも学校祭ならではだろうが、仕上がり見本が妙に縦長に写っているのが気になる。昔の香港映画のエンディングを思い出させる写りだ。
そこのところが気になって私もやってみた
そこのところが気になって私もやってみた
続いては建物内に入ってみよう。普段は教室や実習室として使われている部屋が、今回はさまざまな展示スペースとして開放されているのだ。また、館内には学生さんたちによるデコレーションが施されていて、それがまた凝っているのだ。
ぐいぐいアピールしてきます
ぐいぐいアピールしてきます
水族館ムードも漂う
水族館ムードも漂う
よく描いてあるなー
よく描いてあるなー
気持ち洗われますわ
気持ち洗われますわ
全ての壁面を覆うくらいの勢いで描かれた様々な生き物たち。量や書き込みが半端なく、手作り感を超えて特別な空間に来たような気にさせられる。

そう、この学校祭からは「来てくれた人を楽しませよう!」という思いが全体から感じられるのだ。

生き物について話してくれる学生さんたちは、みんな説明が的確でにこやか。動物に関わる仕事を志している学生さんたちにとって、生き物を通して来場者と触れ合うこの学校祭は、自分の描く夢を叶える最初の舞台であるのかもしれない。
館内にもあるふれあいコーナー
館内にもあるふれあいコーナー
オレたちもうきん族
オレたちもうきん族
鋭かったり
鋭かったり
眠そうだったり
眠そうだったり
屋外にもあったふれあいコーナーは館内にもあり、小動物と遊んだり、鳥類を間近で見たりすることができる。

普通の動物園では柵ごしでどうしても見づらいことの多い猛禽類も、低い冊の向こうにいるのをダイレクトに見られる。すごい充実度だ。
この貫禄で一歳
この貫禄で一歳
「あ、そこ、いいかも…」
「あ、そこ、いいかも…」
鳥類の中でも個人的に気になったのは、ジミーと名付けられた「ミナミジサイチョウ」という聞き慣れない種類の鳥。展示されていたのは一歳の子供とのことだが、すでにいろいろ人生知ってるような表情をしている。

私がじっと見つめていると、学生さんが接し方を教えてくれた。のどの下のプニプニした袋をもみもみされて、いい感じになっているのもかわいい。

よく慣れていて、人間が好きであるらしいジミー。私も触らせてもらおう。
頭をなでると…
頭をなでると…
どんどん下がってくジミー
どんどん下がってくジミー
学生さんによると「鳥は頭がかゆくても自分では掻けないので、頭を触られるのは好きみたいです」とのこと。そういうわけで頭に触れてみると、どんどん頭が下がっていく。

なんだ、ジミー、かわいいじゃないか。表情をよく観察しても、別に嫌がっているわけではなさそうに見える。
トラコーナーではなくモルモット
トラコーナーではなくモルモット
卒業生向けのおみやげか
卒業生向けのおみやげか
アリの巣ほじり体験ゲーム
アリの巣ほじり体験ゲーム
猿の子供飛ばしゲーム
猿の子供飛ばしゲーム
他にもおみやげ販売コーナーや、ちびっ子向けのゲームコーナーなど、アトラクションは盛りだくさん。そのいずれにも、楽しくてあたたかい雰囲気作りが感じられて、関係者でもないのに職員のポストカードをうっかり買いたくなるくらいだ。

館内をうろうろしていると、窓の外がにぎやかな様子なのに気がついた。
大人気のステージショー
大人気のステージショー
充実のスケジュール
充実のスケジュール
屋外にあるステージでは、様々なショーが行われているらしい。タイムスケジュールを確認すると、そろそろ猛禽のフライングショーが始まるようだ。

しばらくベランダで様子を見ていると、いよいよスタンバイが整ったらしい。
二階からお客さんの上を飛んでいくコンドル
二階からお客さんの上を飛んでいくコンドル
ちゃんとステージに到着
ちゃんとステージに到着
隙を突いて逃げ出さないのがすごい
隙を突いて逃げ出さないのがすごい
ベランダから放たれたヒメコンドルはしっかりとステージの学生さんの腕に到着。もし自分がコンドルだったらこのチャンスに逃げ出そうと思う気がするが、そうならないのはきちんと信頼関係が成り立っているからなのだろう。

このあと、学生さんがはきはきと説明をしながらコンドルが腕から腕へ飛び移る様子などを披露。無料で入れる学校祭が、こんなに楽しくていいんだろうか。
どこのパラダイスだよ
どこのパラダイスだよ

写真、縦長じゃなかった!
写真、縦長じゃなかった!
学校のポスターも楽園ムード漂うもの。しかし、こうして学校祭で来場者を楽しませられるのは、日頃の講義や実習の成果なのだろう。ショーや展示での学生さんの説明は、動物の生態などについても詳しく、こちらも勉強させてもらった気がした。この学校祭、毎年9月下旬に開催されるようです。
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