特集 2015年12月28日

2016年は新春に気温の春がきます ~あと出し天気予報

2015年の予報を振り返り。〇…当たり、△…どっちとも言えず、×…はずれ。東京都心の翌日の予報。
2015年の予報を振り返り。〇…当たり、△…どっちとも言えず、×…はずれ。東京都心の翌日の予報。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:クリスマス寒波が遅れて週末に来ます ~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

2015年は、8割7分7厘でした

2015年、1月1日から12月27日までの361日間の成績(東京都心の翌日の予報)は、

265勝37敗59分け

引き分けを引いた302日間の予報が当たった率は、

87.7%

去年より、さらにアップしてるー!!

ちなみに、気象庁の「適中率」は、雨(雪)が降ったかどうかの当たりをカウントして、おおむねね8割台半ば。
あと出し天気予報では、降ったかどうかはもちろん、晴れか曇りか、雨か雪か、そういったことまで当たって、はじめて「当たり」。けっこう厳しい判定で出してるんですよ。

と、ちょこっとだけアピールさせていただきます。って、ちょこっとじゃないか。

恋人たちに怒られそうなイブの夜でした

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。
24日のクリスマスイブ。雨は朝までで、昼間は回復…というのが前日時点の予報だった。

…が、夜は雨に。

上空に寒気が入り始めるタイミングで、急に雨雲が湧くパターンだった。
クリスマスの盛り上がりに、心が浮ついていたのか、雨雲発生のシグナルを見逃してしまった。

雨に濡れたことで、微妙な空気が流れ、別れたカップルがいたらどうしようと思って過ごしたイブの夜。

まっ、それくらいで別れるくらいなら、長続きはしないだろうけど。
来年がんばりますから、ゆるして!
来年がんばりますから、ゆるして!

2015年は、元ハリケーンの卵の台風が印象的でした

元日に、関東など各地で雪が降ってスタートした2015年。

夏は、東京都心で史上初めて8日連続で35℃以上が続いたと思ったら、お盆頃には急に涼しくなって、えらい極端な夏だった。

そんな中で、個人的に印象深かったのは、台風12号。

元は、太平洋の東側で生まれたハリケーンの卵だったのに、西へ西へと進んで、日付変更線を越え、「台風」に名前が変更。

しかも、さらに西へ進み続けて、最終的には長崎県に上陸した。
台風12号の通ったルート。そんな遠くまでいかなくても。
台風12号の通ったルート。そんな遠くまでいかなくても。
ペリーが来航するときに、東日本じゃなく、わざわざ長崎の出島までいったようなもの。

「ハリケーン」の海からきた台風としては、最も西に上陸。この記録は、このさきも破れないんじゃないかと思っている。

めざせ、歴史の教科書!

【今週のみこみ】 正月三が日は、3月並の気温になる所が多いです

クリスマス寒波になる予定が、週末に遅れてきた寒波。30日(水)頃には、もうシベリアに里帰りする。

クリスマスには遅れてきたくせに、クリスマスが終わったら「実家に帰るね」と、さっさと帰省。相手のことをあまり考えないような、マイペース寒波だ。

おかげで、大みそか~正月三が日は気温が上昇。特に、九州~関東は2日・3日に、15℃近い春先の気温になる所も。新春に、ほんとうの春先のような暖かさが来る。
1月2日の上空の気温。寒波はシベリアで正月休み。南から春先の空気が来る。
1月2日の上空の気温。寒波はシベリアで正月休み。南から春先の空気が来る。
寒くなく、みんな外に出るから、初もうでは大混みになると気象予報士的には予想。混まない時間を、うまく狙っていったほうが良さそうだ。

ちなみに、暖冬のときの福袋やセールは、冬のはじめに売れ残った冬服で充実しているらしい。実際どうか分からないけど、行ってみる価値はあるかも。

結果は年明けに!
!
今週の格言
『冬将軍が正月休みに入ると、初もうでは大混みになる!』

詰め天気

前回(12/14)の出題は、「この日の“鳥取県米子市”は、どんな天気だったでしょうか?」でした。
2011年1月1日朝。気象庁天気図
2011年1月1日朝。気象庁天気図
この時の米子は、前日の大みそかから雪が降り続いて、元日には積雪89cmの大雪に。強い冬型の気圧配置で、雪雲が日本海から次々に流れ込んできたんですね。風も強く、ひどい吹雪になった時間も。

注目は、山陰地方のすぐ北で、等圧線が西にふくらんでいる部分。「低気圧」のエリアが、西に勢力を伸ばしていると見ることもできます。

こういう所では、風がぶつかったりして、雪雲が発達しやすいんですね。山陰地方の交通機関が大混乱したお正月でした。今年の年越しは、冬型が弱く、こういうことはなさそうですね。

「北風と日本海西部から流れてくる西風が収束して大雪が降ったと思います。(naraoさん)」

正解!

「この天気図でピンときてしまいました。米子市在住です・・・。 あの日は、街は人も車も通らない真っ白ゴーストタウン状態。 耳がつんとするほど静かな元旦の朝でした。地上からは以上です。(とっぽいさん)」

現地は、そういう状況だったんですね。今年の年末年始は、どうぞおだやかに過ごしてください。

「京都に住んでいるので、今年の元旦そっくりの気圧配置。(まるさん)」

今年の元日も冬型が強くて、京都は大雪だったんですよね。

「石川、新潟なら迷わず雪!ですが、ここはひねくれて、曇り。めげずに投稿!(bunさん)」

う~ん、残念。来年もめげずにぜひ!

今週の定石はこちら。
今週の定石
『冬型の時、日本海の等圧線のふくらみは要チェック』
今回、正解した皆さんはこちら。

ジョン暖簾さん、冷やし中華温めましたさん、まめっくまさん、かずまさん、弘樹さん、まるさん、伸さん、smppさん、はとよめさん、はいまっとさん、そばーばさん、とっぽいさん、naraoさん、モモさん、ふりあさん、ベルヌーイさん、シヤーライン。さん、ころんぼさん、naru1559さん。

△(半分正解):TemmaRyonoさん、TARO☆さん。

おめでとうございます!

さて、今週の問題はこちらです。

今週の問題

この日の“愛媛県松山市”は、どんな天気だったでしょうか?
朝。気象庁天気図
朝。気象庁天気図

(ヒント)

・冬型の気圧配置です。
・地上・上空とも、西北西からの風が吹いた時間が長い日でした
・お昼の気温は、1℃くらいでした。

解答はこちらから↓
正解は再来週(1/11)に!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。


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