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15分で出来るスピード・チキンカレー


忙しくて時間がない時、まずおざなりになってしまうのが食事である。次にトイレ。パソコンに向かってハンバーガーをかじりながら尿意をがまんする。そんな毎日の繰り返しだ。そんなことで良いのだろうか? 食べたことすら忘れてしまうような食事はきっと栄養にならないし、トイレを我慢するのは体に悪いとタクシーの運転手さんから聞いた。「おしっこを我慢し過ぎるとアンタ、年取ってから前立腺やられるよ!」と。若いうちはまだ良いらしい。忙しさにかまけて食事やトイレをいい加減にこなしていると、年を重ねた後にダメージがやってくるのだ。忙しいからと言って心を亡くしちゃダメ!絶対。先日40才になって、つくづくそんなことを考えた。

しかし、コンビニやファーストフード中心の食生活を一気に変えることは難しい。僕に料理の才能があって、ちょっとした時間の隙間を縫ってチャチャっと食事を作ったり出来れば、状況はかなり変わってくるだろう。でも、僕は料理が出来ない。時間の隙間を縫って出前を頼むことくらいしか出来ないのだ。

そんな僕に朗報が届いた。友人の知人に「簡単スピード料理」というレシピを考案している人物がいるというのだ。フードコーディネーターの野口英世さんだ。最近、野口英世さんのスピード料理を1冊にまとめた本も出版されたという。

是非、スピード料理を自分のものにしたい。

友人にお願いして野口英世さんから直々にスピード料理を教わる機会をいただいた。

それにしても、野口英世さんというお名前が気にかかる。

(text by 住 正徳



なりきり野口英世2010

野口英世さんにお会いするのだから、こちらも野口英世(偉人の方、以下偉)になるべきだろう。幸い、僕には野口英世(偉)になりきるノウハウがある。今から約6年前、当サイトで「なりきり野口英世」という記事を書いた。その英世ぶりに対し一部から熱い支持をいただき、mixiに「なりきり野口英世」というコミュが立ち上がったほどであった。ちなみに、コミュの参加メンバーは14名、そのうち1名は僕である。

6年ぶりに野口英世(偉)になるために、「英世ヘアー」のカツラをセットすることにした。初代の英世ヘアーは事務所の引っ越しなどでどこかにいってしまったので、新しいカツラをセットしていく。


2代目英世ヘアー(セット前)

初代の英世ヘアーは人毛カツラを使ったのだが、今回は予算の関係でパーティグッズのカツラを土台とする。スタイリングもプロに頼まず自分でやっていく。それもこれも、リーマンショックの煽りである。


自力でスタイリング

とはいえ、普段から坊主に近い髪型で過ごしている僕には、英世ヘアーのスタイリングは難しい。事務所の女性スタッフから、「アゲ嬢」のスタイリングテクニックを導入したらどうか、と提案があった。野口英世(偉)のもっこりとしたヘアスタイルは、今のアゲ嬢に通じるものがあるというのだ。6年前、英世ヘアーが出来上がった時に「これは若者たちの間で流行ってるアシンメントリーですよ」と言われたことを思い出した。常に時代の先端と共通点を持つ野口英世(偉)のヘアースタイル。その関係性については、今後研究の余地がありそうだ。

という訳で、アゲ嬢が使用しているという「Uピン」というヘアピンと強力なヘアスプレーを使って、なんとか英世ヘアー2010を完成させた。

これで野口英世さんからスピード料理を教わることが出来る。


出版社の会議室にて

野口英世さんからスピード料理を教わる場所は、野口さんの本「野口英世さんのつい何度も作ってしまう! 簡単15分レシピ」の出版社、主婦と生活社の会議室である。


野口英世さんと僕

正真正銘、野口英世さん

野口さんと名刺交換をして、早速スピード料理をレクチャーしてもらう。

が、その前に僕は野口英世(偉)にならないといけない。事前に友人から「野口英世で教わりたいです」と伝えてもらっているのだが、中々ハードルが高い。初めて訪れた会社の会議室で野口英世(偉)にならないといけないのだ。

どうしよう。

しかし、もじもじしている場合ではない。2010年のテーマは「積極性」だ、とその場で今年のテーマを決めた。

えいっ!


なりきり野口英世2010

「わぁー、良く出来てますね」

と、野口英世さんが言ってくれた。そして、「私もあの髪型がどうなってるのか、気になっていたんです」とも言ってくれた。

良かった。
野口英世(偉)が野口英世さんに受け入れられた瞬間である。


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