タイの家庭料理に「ナムプリック」というものがある。 にんにくや唐辛子をベースとしたペースト状の料理で、茹でた野菜などにつけて食べる万能ディップだ。
日本で言うと、味噌の存在に近い気がする。日本人がきゅうりに味噌をつけて食べるように、タイ人はナムプリックを食べている。
とにかく、ひとたびこの香りをかげば気分はタイに吹っ飛んでしまうのだ。
エスニック料理好きな日本人が作れるように、日本食材で再現してみたいと思います。
(ほそいあや)
よく「外国人が日本を訪れると『空港に降りたとたんに醤油の匂いがする』らしいよ」という極端な話をきく。さすがに空港までは匂わないと思うが、なんでも醤油で味付けをしているという事が言いたいのだろう。「韓国はキムチの匂い」ともよく聞く。 その考え方で言えば、タイの街全体の総合的な匂いがナムプリックだと思う。
ナムプリックのレシピは色々なものがあるが、いちばんポピュラーと思われる「ナムプリック・カピ」を作ろう。 「カピ」とは「発酵させたえびペースト」のことです。
材料 ・プリッキーヌ(タイの青唐辛子) ・ホムデン(タイの小さい赤たまねぎ) ・カピ(発酵させたえびペースト) ・にんにく ・香菜 ・レモングラス ・ライム果汁 ・ナンプラー少々 ・砂糖少々
上の三つは、あきらかにスーパーで売っていない。 そんな時は、とりあえず上野の「アメ横センタービル」に行ってみると手に入る場合がある。
まず、唐辛子を軽く煎って焦げ目をつける。 同時にカピもすこし焼くと風味が増すらしい。
すべての分量はとくに決まっていないので、好きな味のバランスになるまで食材を加えてみる。 入れる順序は一応あるようだが、基本すべてごちゃまぜにすればいいと思う。
たちのぼってくる香りに「あータイ料理店行きたい」「むしろタイに行きたい」ともらしながら、ごりごり!ドンドン!と叩きつぶしていく。 ほどなくしてナムプリックは完成した。