特集 2014年9月12日

7年経った中国のペンキ山は変わったのか

なんとあれから7年も経ってしまった。ならば確認しにいかねばなるまい
なんとあれから7年も経ってしまった。ならば確認しにいかねばなるまい
中国に話題となったペンキ山がある。あったというべきか。

ハゲ山を緑化しようと、緑色のペンキを山肌に塗ったくり、素早く緑化したという斜め上のニュースがかつて話題になった。

ぼくはかつて行ってきた。1度目は2007年に目視、2度目は2008年に最接近した。その節はヨシダプロさんありがとうございます。

あれから7年も経った。ペンキ山はどうなったのか。「あの人は今」ではなく、「あの山は今」な気分だ。

あの場所を肌で知っているのはそうそういない。ならばぼくが行って確認するしかない。

変な使命感を持って久々に現地に向かった。
変なモノ好きで、比較文化にこだわる2人組(1号&2号)旅行ライターユニット。中国の面白可笑しいものばかりを集めて本にした「 中国の変-現代中国路上考現学 」(バジリコ刊)が発売中。

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相変わらずダイナミック中国

なんだか地下鉄までできて、中国の端っことは思えないほど近代化したのだった
なんだか地下鉄までできて、中国の端っことは思えないほど近代化したのだった
一方でビルを建てるために既存の建物をどんどん破壊。 ダイナミック破壊工事なのでフェンスもあまり意味がないようだ
一方でビルを建てるために既存の建物をどんどん破壊。 ダイナミック破壊工事なのでフェンスもあまり意味がないようだ
ペンキ山があるのは中国雲南省昆明市の近くの富民という場所。昆明は6、7年前と比べあちこちで高層ビルが建ってて、既存の建物がダイナミックにどんどん壊されていた。

雲南省ということは地震じゃないかという疑問もあったが、ここは気づかないほどの小さな揺れだったらしい。中国どころか雲南省も広い。

昆明発富民行きのバスターミナルは、昆明の街が大きくなったことからさらに中心から遠くの「西北部バスターミナル」に移動。

バスに乗るにはセキュリティの関係なんだそうで、身分証を出さなければ乗れず、ぼくはパスポートを見せた。物騒化&IT化だろうか。

そしてバスに乗り込むと、当時は一般道の山道をのんびり走っていたのに、高速道路ができていて、あっという間に富民に着けたのだった。

その高速道路というのがまた中国のでかさを感じるもので、その名も京昆高速、つまり北京と昆明を結ぶ高速道路なのだ。道路脇の距離表示では、(北京から)2300kmなどと書かれてまた驚く。

恐るべし、ダイナミック中国。
橋ありトンネルあり、高速道路で白川郷に向かう気持ちになった
橋ありトンネルあり、高速道路で白川郷に向かう気持ちになった

IT化でペンキ山が見つかる!

前来た時は、昆明で売られていた雲南省の地図を広げて持っていって捜した。もちろんノートパソコンも持っていたけど、道端で広げて道を尋ねるような状況ではなかったように思う。

でも今は手元にはスマホがあって、昆明だけでなく富民でも3Gが繋がって地図が簡単に開いてGPSと連動して、なんとなくこの辺じゃないかなーと目星がつけられて、タクシーの運転手に地名を行って連れてってもらうことができる。

便利な世の中だ。
富民には昔からの変わらない雰囲気もあった
富民には昔からの変わらない雰囲気もあった
でも素朴な小さな町にも高層マンションがどんどん造られている
でも素朴な小さな町にも高層マンションがどんどん造られている
たぶんここだろうと目星をつけたのは、富民からちょっと昆明方面に戻った「何官営」という場所。昔は下道で昆明から富民に到着する直前で、進行方向左側にみた記憶があって、だいたいそれが何官営ではないかと思い、タクシーに乗り15元払った。

で、それが正解だった!
「何官営」の村。奥の映画で出てきそうな工場群に目が奪われる
「何官営」の村。奥の映画で出てきそうな工場群に目が奪われる
「何官営」の先で見え6年ぶりのペンキ山!
「何官営」の先で見え6年ぶりのペンキ山!
なんとか緑化し続けている?
なんとか緑化し続けている?

ハゲている?

「緑化している」と言われれば「あぁー、よく見てみればうっすら残ってるねぇ」と思うその山肌。

前はどんな感じだったのかを見比べ、検証してみたい。
これが6年前、2008年の記事の写真
これが6年前、2008年の記事の写真
これが7年前、2007年の記事の写真
これが7年前、2007年の記事の写真
2007年のペンキ山は、現在のペンキ山よりも山肌の色が濃いが、それでも当時のぼくは

色落ちてません?せっかくニュースだと莫大な費用をかけてペンキで色を塗ったというのに随分と剥げ落ちているように見える。

と感想を書いている。ということは昔はもっと鮮やかだったようで、つまりは

ペンキで塗った山肌はいつかもとに戻る

ということが学べた。これから静かに役目を終えていくかな、それとも家を壊して作るように、ペンキがなくなれば塗りなおすのかな。

中国流案山子(かかし)

ペンキ山へと続く田園風景、田んぼがあるということはかかしもある。いや、今回はじめて気づいたということは、この7年で案山子を置くという習慣がついたのではないか。どんな案山子があったか紹介しよう。
気にならないわけがない
気にならないわけがない
人間っぽくしたものもあれば、お古の服を広げただけのものもある
人間っぽくしたものもあれば、お古の服を広げただけのものもある
マジシャン系案山子。黒マント風でも害鳥は人間と認識するのだろうか
マジシャン系案山子。黒マント風でも害鳥は人間と認識するのだろうか

壊れないデジカメなら買いたい

いやぁログって本当に役に立ちますね!

昔の記事と今の記事を比較すれば変化がわかる。そのための写真集もある。将来と比較のための写真を撮るなら、デジカメごとに細かいデジカメの色の表現の違いがあるから、同じデジカメで撮りたい。

100年プリントではなく、100年デジカメとか、以前のファミコンのようにいつまでも修理してくれるような、そんなデジカメが欲しいと思った。

中国の家のように古きを壊して新しきを作るだけではなく、比較のためにそのままを残すのもまた大事なのだ。
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